野菜の育て方

【初心者でも安心!家庭菜園で楽しむ】秋から始めるコマツナ直播き栽培ガイド

コマツナ栽培の風景
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こんにちは、いろはに農園のいろはにです。
「家庭菜園を始めてみたいけれど、難しいのはちょっと不安…」そんな方におすすめしたいのが、秋まきのコマツナです。

タネをまいてから比較的早く収穫できるので、初心者さんでも育てやすく、食卓にもすぐ役立つ頼もしい葉ものなんですよ。

この記事では、土づくりから収穫までの流れをひとつずつ整理しながら、家庭菜園でも安心して取り組めるポイントをお伝えしてまいります。

コマツナってどんな野菜?

基本情報と特徴

  • 科目:アブラナ科
  • 栽培スタート:タネから(直播きが基本)
  • 発芽適温:15〜20℃(発芽は比較的速い)
  • 生育適温:15〜25℃(涼しい季節に良く育ちます)
  • 適した土壌pH:6.0〜6.5
  • 連作障害:アブラナ科特有の病害が出やすいので、同じ場所では1〜2年の輪作が望ましい
注意点
  • コマツナは害虫(アオムシやコナガ)に狙われやすいので、防虫ネットを早めにかけるのがおすすめです。
  • 栽培スケジュールは地域の気候によって異なります。タネ播き前に、お住まいの地域の気温や栽培カレンダーを必ず確認しましょう。

いろはに農園オススメのコマツナ品種

さくらぎ(秋まきにオススメ)

特徴

  • 病気に強い:さくらぎは耐寒性と晩抽性に優れており、萎黄病や白さび病などの病害にも比較的強く、安定した収穫が期待でき、秋まきでも安心して育てられるのが嬉しいポイントです。
  • 形が揃いやすい:株の草姿が極立性で、葉や軸のテリもよく、家庭菜園でも形が揃いやすいのが特徴です。見た目にも美しい葉が収穫できます。
  • 味わい:葉がやわらかく、クセが少ないためおひたしや炒め物、スムージーなど幅広く使えます。甘みがあり、食べやすいので、家庭の食卓にもぴったりです。

土づくりの詳しい手順

コマツナは初期の発芽と生育が収量を左右します。秋まきに向けて、しっかりと土の基盤を作りましょう。

準備の流れ(時期の目安:タネ播きの2週間〜1か月前)

step1『作付けの2〜3週間前』
苦土石灰の散布(PH調整)

1㎡あたり約100gを目安に散布し、耕しながらよく混ぜます。pHを6.0〜6.5に整えることで根の生育が安定します。

step2『作付けの2~3週間前』
堆肥の施用

完熟堆肥:1㎡あたり約2〜3kgを目安にすき込みます。

元肥の施用

元肥(化成肥料や有機配合肥料):1㎡あたり控えめ(目安50〜150g、肥料の種類で調整)。秋は肥効が長く残るため窒素を多く与えすぎないよう注意します。

step3『作付け直前』
耕うんと畝立て

深さ20cm程度を目安に耕し、土を細かく砕いて団粒構造を作ります。

幅は約1m、高さは数cm〜10cm程度の高畝で排水を良くします。

タネ播き面は平らに整え、細かい土で覆土の厚さが均一になるようにします。

注意点

発芽ムラを防ぐため、小石や固い塊は取り除いてください。

直播きの具体的な手順

小さなタネを均一に播くことが発芽の揃いにつながります。以下の手順を守って、ていねいに作業しましょう。

  1. まき溝を作る
    • 畝上に深さ約1cmの溝をつけます。列間(条間)は15〜25cmを目安にします。
  2. タネをまく
    • タネは1cm前後の間隔を目安にすじまきします。指先で軽くつまんで均等に落とすか、小さな種まき器を使うと綺麗にまけます。
  3. 覆土と鎮圧
    • 覆土は薄めに(5mm程度)。厚く被せると発芽が鈍ります。覆土後は手のひらで軽く押さえて土とタネを密着させます。
  4. たっぷり灌水
    • タネ播き直後にたっぷり水を与え、その後は表土が乾かないよう適宜湿り気を保ちます。
  5. 保温・防虫の被覆
    • 発芽が揃うまで不織布や軽い防虫ネットで覆うと、夜間の冷えや初期害虫から守れます。しっかり固定してください。

秋まきの週別栽培スケジュール

地域差や年による気候差がありますので、目安としてご覧ください。タネ播きを「9月中旬〜10月中旬」に行った場合の一般的な流れです。

1週目(発芽期:3〜7日)

発芽がそろう頃。表土が乾かないようにこまめに水分管理。

2週目(幼苗期)

双葉が揃い始めます。1回目の間引き(株間2〜3cm)を行い、風通しを確保。

3週目(本葉期)

本葉が3〜4枚に。薄く追肥(株元にぱらっと与える)を行い、株間を5〜7cmに調整。

4〜5週目(生育加速期)

葉がぐんと大きくなる時期。最終調整で株間を10cm前後にし、追肥は様子を見ながら少なめに。

6週目以降(収穫期)

ベビーリーフ:約2〜3週間で摘み取り可能。

株採り:約5〜7週間(草丈15〜25cmが目安)で収穫開始。

オススメ

必要な分だけ根元近くでハサミで切り取ると、株を傷めずに数回収穫できます。

害虫・病気の詳しい対策

秋は害虫のピークが通り過ぎる地域もありますが、油断は禁物です。できるだけ化学薬剤に頼らず、物理的・生態的防除を中心に進めましょう。

主な害虫と実践的対策

アオムシ(モンシロチョウ幼虫)

  • 予防:タネ播き直後から防虫ネットを張る。
  • 発生時:見つけ次第手で捕殺。葉の裏をよく観察。

コナガ

  • 予防:防虫ネット、不織布の併用。
  • 発生時:被害葉はすぐに取り除いて畑の外へ廃棄。局所的に石鹸水やニームを散布。

アブラムシ

  • 予防:天敵を呼ぶ花(マリーゴールド等)を近くに植える。
  • 対処:水で吹き飛ばす、または石鹸水(液体石鹸5〜10mlを1Lの水で希釈)を夕方に散布。効果を確認しながら薄めで試してください。

補助的な自然素材の使い方

  • ニームオイル:植物体にダメージが少なく忌避効果が期待できます。製品の希釈指示に従って、風の弱い夕方に散布してください。
  • 石鹸水スプレー:アブラムシ対策に。使用前に目立たない葉で試し、植物に異常が出ないか確認すること。
ポイント

予防が一番効果的です。

タネ播き直後の防虫ネット、健全な土づくり、適切な間引きで風通しを確保することを心がけてください。

Q & A(よくある質問)

Q
Q1:タネ播きしても発芽がそろいません。どうしたらよいですか?

A:覆土の厚さムラや表土の乾燥、タネ播きの深さがばらつきの原因です。覆土は薄め(約5mm)に、タネ播き後は表土が乾かないようにこまめに保水してください。発芽不良の箇所は再度タネ播きして補うのも有効です。

Q
Q2:間引きがもったいない気がします。間引かずにそのまま育ててもよいですか?

A:そのままにすると密植で徒長や病気の温床になりやすくなります。間引いた苗は若菜としておいしくいただけるので、思い切って間引きましょう。

Q
Q3:追肥はどのくらいの頻度で与えればよいですか?

A:秋まきでは窒素過多にならないように控えめに、成長の節目(本葉3〜4枚期)に軽く追肥する程度で十分です。葉が硬くならないように様子を見て調整してください。

まとめ

コマツナは、直播きで手軽に育てられて、秋の穏やかな気候ととても相性が良い野菜です。

豊かな土づくり、ていねいなタネ播き、発芽期の水管理、タネ播き直後の防虫対策を心がければ、やわらかくてみずみずしい葉をたくさん収穫できます。

どうぞこのガイドを参考に、秋の畑でコマツナの成長をゆったり楽しんでくださいね。

ABOUT ME
いろはに農園
いろはに農園
駆け出しブロガー
野菜栽培歴4年(2021年~)の30代専業主婦。 おばあちゃんの畑(約400㎡)を借り、娘とともに家庭菜園を楽しむ主婦です。トマト、タマネギ、ダイコンなどを中心に栽培し、写真と実測データを交えた実践的な育て方を発信しています。
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