【初心者でも安心!家庭菜園で楽しむ】トウモロコシ栽培ガイド
収穫したばかりのトウモロコシが並んだ様子を見ると、思わず笑顔になってしまいますね。
家庭菜園でも、ちょっとしたコツを押さえれば甘くてジューシーなトウモロコシを楽しむことができます。
ここでは、タネから育てる基本の方法からお世話のポイント、収穫までをわかりやすくご紹介します。
トウモロコシってどんな野菜?
基本情報と特徴
- 科目:イネ科
- 栽培スタート:タネから(直播きが基本)
- 生育適温:20〜30℃
- 適した土壌pH:6.0〜6.5
- 連作障害:少ないが、同じ場所では2〜3年あけると安心
トウモロコシは比較的育てやすく、家庭菜園でも人気のある野菜です。
地域の気候に合わせてタネまきの時期を調整すると、さらに失敗が少なくなります。
育てやすいトウモロコシの定番品種
ゴールドラッシュ
✅ 特徴:粒がぎっしり詰まり甘みが強い
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐⭐(初心者向け)
✅ おすすめポイント:発芽率が高く、家庭菜園でも育てやすい
ピュアホワイト
✅ 特徴:真っ白な粒で糖度が高い
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐
✅ おすすめポイント:見た目も美しくプレゼントにも喜ばれる
タネまき手順【土作り・直播き編】
土作り
トウモロコシは中性からやや弱酸性の土壌を好みます。
酸性が強い場合は、苦土石灰(くどせっかい)をまいて中和します。
土を元気にするためには、完熟した堆肥を使いましょう。
畝(うね)1平方メートルあたり、2〜3kgの完熟堆肥をまんべんなく散布します。
化成肥料(例えば「8-8-8」)を100〜150g/㎡ほど、堆肥とよく混ぜ込んでください。
この肥料は窒素、リン酸、カリのバランスが良く、トウモロコシの成長を助けます。
トウモロコシは根をしっかり張り、風通しよく育てるために畝を作ります。
畝の幅は70〜90cm、高さは10〜15cmくらいが理想です。
畝を高くすると水はけが良くなり根腐れを防げます。さらに黒マルチを敷くと土温が上がって発芽や成長が促進され、雑草も抑えられるので管理が楽になります。
植える(直播き)方法
トウモロコシは日当たりの良い場所が大好きです。
なるべく1日中しっかり日が当たる場所を選びましょう。また、風通しも大切です。風がよく通ると病気になりにくく、元気に育ちます。

▶1か所にタネ3粒、深さ1.5cm、

▶- 株間(株と株の間の距離)は約30cm
- 条間(列と列の間の距離)は40〜50cm

▶タネをまいた後は土を軽くかぶせ
(覆土)、たっぷりと水をあげましょう。
芽が出るまでは鳥にタネを食べられてしまうことがあります。不織布や防鳥ネットをかぶせて、鳥から守ってあげましょう。
トウモロコシの日々のお世話
支柱立て(茎の補強)
トウモロコシは成長するにつれて茎が長くなり、風や雨で倒れやすくなります。
草丈が30〜40cmを超えた頃に、支柱を立てて茎を支えましょう。
支柱は根元から数cm離した場所に立て、茎にやさしく紐や布で固定します。
水やりのコツ
トウモロコシは乾燥に弱い植物です。特に発芽直後と生育期(苗が大きく育つ時期)は、土の表面が乾かないように注意しましょう。
晴れが続く日は、朝か夕方の涼しい時間帯にたっぷりと水やりをしてください。
追肥のタイミング
追肥とは、成長途中に追加で肥料を与えることです。トウモロコシは栄養をたくさん使うので、2回の追肥が効果的です。
1回目の追肥
本葉が6〜8枚になった頃、株の根元周りに肥料をまきます。やさしく土に混ぜ込み、根に栄養を届けましょう。
2回目の追肥
雄穂(雄花)が出てきた頃に、再度追肥を行います。
このタイミングで肥料を与えることで、実の成長が促されます。同時に、土を株元に寄せて根を安定させる「土寄せ」も忘れずに行いましょう。
間引きと人工授粉
人工授粉
トウモロコシは風媒花(風で花粉を運ぶ)ですが、家庭菜園では実がスカスカになることも。そんな時は人工授粉をしましょう。
朝の涼しい時間帯に、雄穂(茎の上部に出る花)の花粉をそっと摘み取り、雌穂(実になる部分の絹糸)に優しく振りかけます。
間引き
本葉が3〜4枚の頃、1か所に3粒まいた芽の中から、一番元気な苗を1本だけ残し、他は間引きます。
いよいよ収穫!
収穫の目安

トウモロコシの収穫時期は、見た目と手触りで判断します。
まず「絹糸(きぬいと)」と呼ばれる、実の先から出ている細い毛のような部分が茶色く乾燥して変色してきたら、収穫のサインです。
また、粒を軽く押してみて白い乳液がにじみ出れば、実がしっかりと甘く育っている証拠です。
この状態が収穫にちょうど良いタイミングです。
収穫のコツ
収穫はなるべく朝の涼しい時間帯に行うのがおすすめです。理由は、朝はトウモロコシの糖度(甘み)が高く保たれているため、甘みを逃さずに味わえます。
収穫の方法は、トウモロコシの根元をしっかり持ち、茎を軽く回しながら引き抜くように外します。
トウモロコシ栽培のトラブル対策
病害虫対策
アワノメイガ
アワノメイガはトウモロコシの雄穂(花の部分)に卵を産み、幼虫が中に入り込んで実を食べてしまいます。
被害を減らすためには、受粉後に雄穂を切り取る方法が効果的です。これにより、幼虫の発生を抑えられます。
鳥害
カラスやヒヨドリなどの鳥が実をつついてしまうことがあります。
特に実ができ始める時期は要注意です。不織布や防鳥ネットを使って、鳥が近づけないようにしっかり覆いましょう。
実が入らない・曲がる原因
受粉不足
トウモロコシは風で花粉を運ぶ植物ですが、受粉がうまくいかないと実がスカスカになったり曲がったりします。
人工授粉をして花粉を直接絹糸に振りかけてあげることで、受粉を確実にし実入りを良くできます。
よくある質問(Q&A)
- Q1: トウモロコシの発芽率が悪いのですが、原因は何ですか?
-
A1: タネの古さや土の温度が低いことが主な原因です。新しいタネを使い、地温が20℃以上になってからまきましょう。
- Q2: 鳥にタネを食べられてしまいます。どうすればいいですか?
-
A2: 不織布や防鳥ネットを使ってタネまき後の苗を覆い、鳥害から守りましょう。
- Q3: 実が小さくて固いです。どうしたら良いですか?
-
A3: 追肥のタイミングが遅れていたり、受粉不足が考えられます。追肥は本葉6〜8枚と雄穂が出る頃にしっかり行い、人工授粉も試してください。
まとめ
トウモロコシは直播きでもしっかり育てれば、家庭菜園でも美味しい実が収穫できます。
ポイントは適切な時期のタネまき、土づくり、間引きと追肥、そして人工授粉です。
毎日の観察とケアで、甘くてジューシーなトウモロコシをぜひご家族と一緒にお楽しみください。

