【初心者でも安心!家庭菜園で楽しむ】ニンニク栽培ガイド

こんにちは、いろはにです。
今回は、【ニンニク】の育て方をご紹介します。
ニンニクは料理の風味を引き立ててくれる万能野菜。植え付けから収穫まで少し時間はかかりますが、しっかりと管理すれば自家製ニンニクが楽しめます。
私自身、2025年の栽培では「肥料のあげすぎ」によって2次成長が起きてしまい、思ったようなニンニクに育ちませんでした…。その経験も踏まえて、初心者の方でも安心して育てられるよう、ポイントをわかりやすくまとめました。
ニンニクの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
科名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
難易度 | (中級者向け) |
植え付け時期 | 9月下旬〜10月中旬 |
収穫時期 | 5月下旬〜6月上旬 |
主な品種 | ホワイト六片、嘉定ニンニク |
栽培日数 | 約8〜9か月 |
品種選び:おすすめのニンニク
ホワイト六片(寒地系)
・東北や北海道など寒冷地向き
・1片が大きく風味が強い
・保存性もいいのでオススメです。
嘉定(かてい)ニンニク(暖地系)
・本州中部〜九州におすすめ
・小粒だが数が多く育てやすい
・暖地で育てるならこちらを選びましょう
栽培カレンダー
月 | 作業内容 |
---|---|
9〜10月 | タネ球の植え付け |
11〜2月 | 冬越し・追肥 |
3〜4月 | 生育期・追肥 |
5〜6月 | 収穫 |
土づくりと植え付け
土壌pHの調整(苦土石灰)
ニンニクはpH6.0~7.0(弱酸性~中性)の土壌を好みます。酸性に傾きすぎると根の生育が悪くなったり病気が出やすくなったりしますので、植え付けの2週間前までに苦土石灰(クドセッカイ)をまいて中和します。
👉 使用量の目安:1㎡あたり100~150g程度。
👉 まき方:全面に均一にまいたら、土をよく混ぜ込むように耕します。
苦土石灰は土壌を中和するだけでなく、カルシウムやマグネシウムの補給にもなるのでニンニクの丈夫な根作りに役立ちますよ。
元肥(堆肥・化成肥料)のすき込み
土壌改良と肥料の基礎づくりとして、植え付けの1週間前までに以下の肥料を施します。
堆肥(たいひ)
・1㎡あたり2kg程度を全面に散布。
・よく腐熟した堆肥(完熟堆肥)を選ぶことで、土壌の排水性・保水性が向上します。
・堆肥には微生物の働きを活性化させ、病気を抑える効果も期待できます。
化成肥料
・1㎡あたり100g程度を目安に。
・成分比(例):N(窒素):P(リン酸):K(カリ)=8:8:8程度のものがおすすめです。
・バランスよく栄養を補給することで、葉や根の生育を助けます。
すき込みと耕うん
苦土石灰・堆肥・化成肥料を施したら、土を深さ20cm程度までしっかり耕します。
・団粒構造を作るために、大きな塊は砕いて細かくします。
・水はけが悪い場所なら、畝(うね)を高く(20cm程度)作ると排水性が改善されます。
土づくり完了後
土壌改良後、1~2週間ほど寝かせて土を落ち着かせます。これで土壌中の肥料や石灰がなじみ、ニンニクの根痛みのリスクを減らすことができます。
植え付け
- 球から1片ずつバラして使います(タネニンニク)
- 尖った方を上にして、深さ5〜6cmに植えます
- 条間15〜20cm、株間10〜15cm程度で配置します
ニンニク栽培の管理方法
水やり
基本は「乾燥気味」にしてくださいね。
発芽から定着するまでは水を与えますが、それ以降は過湿を避け、乾燥気味に育てましょう。
追肥のタイミング
追肥は2回が基本です:
- 11月頃(冬前)
葉が3〜4枚になった頃に、化成肥料を1株あたりひとつまみ(5g程度) - 3月頃(春の伸び始め)
球の肥大が始まる前に同量を施します
追肥失敗談

▶肥料が多すぎと
左の写真のような
2次成長(春に新たな芽が伸びる状態)
が起こります。
収穫と保存方法
5月下旬〜6月頃、葉が3割ほど黄ばんできたら収穫時期。
晴れた日に掘り上げて、風通しの良い日陰で1週間ほど乾燥させます。
保存する場合は、茎を編んで吊るすと長持ちします。
よくあるトラブルと対策
トラブル | 原因と対策 |
---|---|
球が分かれて育たない | 追肥のタイミングが遅い、または肥料過多。2次成長を避ける管理が大切です。 |
茎が腐る | 過湿、排水不良が原因。高畝にして水はけをよくしましょう。 |
さび病(葉にオレンジの斑点) | カビによる病気。風通しが悪く多湿のときに発生。発見したらすぐ葉を取り除き、病害株は抜き取ります。 |
白絹病・灰色かび病 | 土壌病害。連作を避け、毎年植える場所を変えると予防になります。 |
ネギアブラムシ(アブラムシ類) | 周囲の雑草を取り除き、風通しを確保。黒い小さな虫がついたら水で洗い流すか、防虫ネットを活用。 |
ネダニ類 | 球が小さくなる害虫。被害が大きい場合は土壌を休ませる、または畑の場所を変更しましょう。 |

ニンニクの収穫後の上手な保存方法
ニンニクは収穫した後の扱い方次第で、その風味や保存期間が大きく変わります。ここでは、家庭でできるニンニクの保存方法をご紹介します。
しっかりと乾燥させる
収穫後は土を軽く払い落とし、茎を少し残して風通しの良い日陰で数週間から1ヶ月ほど乾燥させましょう。しっかりと水分を抜くことで、カビや腐敗を防ぎ、保存性が高まります。
風通しの良い場所で保存
乾燥が終わったニンニクは、直射日光を避け、湿気の少ない涼しい場所に保管してください。通気性の良いネットや紙袋に入れておくと、湿気がこもらず長持ちします。
冷蔵庫での保管方法
冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙などに包んで野菜室の奥やドアポケット以外の比較的温度変化が少ない場所に置くのがおすすめです。密閉容器は湿気がたまることがあるため避けましょう。
冷凍での長期保存
皮付きのまま一片ずつラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。使う時は凍ったまま料理に加えられるので便利です。冷凍保存すると約半年ほど風味を保てます。
調味料に漬け込む保存法
オリーブオイルや醤油、酢などに漬ける方法もあります。香りが移り味に深みが出る上、保存期間も延びるため一石二鳥です。ただし冷蔵保存で、カビや腐敗の兆候がないか定期的に確認してください。

いろはに農園では毎年収穫後に醬油漬けを作ります。
ニンニクの醬油漬けはチャーハンや野菜炒めなどにピッタリでオススメです。
まとめ
- 肥料は適量・適時を守ることが成功のカギ
- 水やりは基本「控えめ」
- 病気は「風通し」と「連作回避」で予防
- 害虫は早めに見つけて除去&予防ネットが効果的
いろはにのひとこと
今年は肥料をしっかりあげようと思いすぎて、春に芽がぐんぐん伸びてしまい、2次成長で球がうまく育ちませんでした…。
また、梅雨にさしかかるころに葉が茶色くなってしまい、さび病の症状が出てしまったのも反省点です。育てやすいと思われがちなニンニクですが、追肥のバランス・風通し・湿度管理がとても大切だと実感しました。
来年はこの経験を活かして、元気で大きなニンニクを収穫したいと思います。
ご家庭の菜園でも、ぜひニンニク栽培にチャレンジしてみてくださいね。