【初心者でも安心!】タマネギ栽培ガイド〜品種選びが成功のカギ!〜

こんにちは。いろはに農園のいろはにです。
今回は家庭菜園で人気のタマネギを、タネから育てるコツを地域の気候に合わせてわかりやすくご紹介します。
タマネギは「タネまき」から「収穫」「保存」まで時間をかけて育てる野菜で、その成長を楽しめるのが魅力です。
栽培の成功には「品種選び」が重要です。気候に合った品種を選べば、初心者でも育てやすくなります。
このガイドでは品種選びから育苗、収穫まで、失敗しないポイントを丁寧にお伝えします。
ぜひ最後までお読みいただき、タマネギづくりを楽しんでくださいね。
タマネギの基本情報
タマネギの特徴
- 科名:ヒガンバナ科
- 原産地:中央アジア~中近東
- 生育適温:10〜15℃(生育適温)、球肥大には15〜20℃が理想
タマネギの種類と選び方
収穫時期による分類
種類 | 収穫時期 | 特徴 |
---|---|---|
極早生・早生種 | 3〜4月 | 皮が薄く柔らかい。生食や新タマネギに適す。 |
中生種 | 5〜6月 | 保存性があり、炒め物・煮物に向く。 |
晩生種 | 6月以降 | 球が締まり長期保存が可能。 |
おすすめのタマネギ品種
極早生・早生種(3月〜4月に収穫)
トップゴールド305(タキイ種苗)
✅ 球形が揃い、白く美しい新タマネギが育つ
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐⭐(初心者向け)
✅ 初心者にも育てやすく、発芽から収穫までが早い
フォーカス(サカタのタネ)
✅ みずみずしく柔らかい肉質でサラダに最適
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐(育苗のコツは必要)
✅ 倒伏しにくく家庭菜園でも扱いやすいサイズ感
中生種(5月中〜下旬に収穫)
ネオアース(タキイ種苗)
✅ 中〜やや大玉、病気に強く保存性も良好
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐⭐(初心者向き)
✅ 収量安定で初めての方にもおすすめ
ケルたまルビー(タキイ種苗)
✅ 鮮やかな赤紫色でアントシアニン豊富
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐⭐(抽苔・分球が少なく管理しやすい)
✅ 抽苔・分球が少なく管理しやすい
アトン(サカタのタネ)
✅ しまりが良く耐腐敗性の高い大玉品種
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐(やや栽培期間が長め)
✅ 病気にも強く貯蔵性に優れる
晩生種(6月上旬〜中旬に収穫)
ケルたま(タキイ種苗)
✅ ケルセチン豊富でコクがあり長期保存可能
✅ 育てやすさ:⭐⭐⭐⭐⭐(病気に強く初心者にも最適)
✅ 病気に強く初心者にも安心
栽培スケジュール(年間の流れ)
月 | 作業内容 |
---|---|
8月 | 土づくり(pH調整、堆肥、元肥施用) |
9月上旬〜中旬 | タネまき・育苗開始 |
11月中〜12月 | 苗定植(草丈20〜25cm、茎太さ5〜6mm目安) |
12月〜2月 | 寒中管理(防寒、追肥) |
3月〜4月 | 追肥・中耕・病害虫防除 |
5月下旬〜6月 | 葉倒れ→収穫・天日干し |
6月〜7月 | 乾燥・吊るし保存 |
土づくりと播種準備
タマネギは中性〜弱酸性の土壌を好みます。具体的にはpH6.0〜6.5が理想です。
酸性が強い場合は、苦土石灰(くどせっかい)をまいて土を中和しましょう。
元気な土づくりのためには、完熟堆肥が欠かせません。
畝(うね)1平方メートルあたり2〜3kgの完熟堆肥を均一に散布して、土にしっかり混ぜ込みます。
化成肥料(例えば「8-8-8」など)を100〜150g/㎡ほど用意し、堆肥とよく混ぜて土に施します。
この肥料は窒素・リン酸・カリのバランスが良く、タマネギの成長をしっかり支えます。
タマネギは根をしっかり張り、通気性の良い環境で育てることが大切です。
畝幅は70〜90cm、高さは10〜15cm程度が理想的です。高めの畝は排水を良くし、根腐れを防ぎます。
タネまきと育苗のポイント
タネまき時期
- 極早生:8月末〜9月上旬
- 早生:9月上旬
- 中生:9月中旬
タネまき方法
- 条まきで条間5〜6cm、種は1cm間隔でまく。
- 覆土は1cm程度、軽く押さえた後たっぷり水やり。
発芽管理
- 発芽適温は15〜20℃。発芽まで5〜7日。
- 発芽後は覆いを外し、乾燥を防ぎつつ水やりは控えめに。
- 苗丈5〜7cmで間引きし、土寄せと軽追肥を行う。
苗の管理と畑への定植
間引き
本葉2〜3枚で株間10mmに間引き、過密を避けて病気・徒長防止。
定植時期
11月中旬〜12月上旬に行い、苗は草丈20〜25cm、茎太さ5〜6mmが目安。
定植方法
- 苗の根元が土に半分埋まる深さで植える。
- 株間15cm程度。
- 水やりはしっかりして活着を促進。
マルチング
黒マルチのメリット
- 土の温度を上げて発芽や苗の生育を促進します。
- 雑草がほとんど生えないので、草取りの手間が大幅に減ります。
- 土の水分の蒸発を防ぐため、乾燥しすぎを防げます。
注意点
- 雨が降ると水はけが悪くなることがあるので、排水には気をつけましょう。
使い方のポイント
- 畝を立てたら、黒マルチをぴったり張ります。
- マルチに穴をあけて、苗を植えます。
- 定植後はマルチの上からも水やりをします。
黒マルチを使うとタマネギが元気に育ち、管理がとても楽になりますよ。ぜひ試してみてくださいね。

タマネギの追肥タイミング
タマネギは成長の段階に合わせて、適切な追肥をすることが大切です。肥料を足すことで根や球の育ちが良くなり、健康なタマネギに育ちますよ。
追肥のタイミングと役割
- 12月中旬〜下旬:根張り促進の追肥
寒い時期ですが、この時期に肥料を与えると、タマネギの根がしっかりと広がります。根が元気になると、土から水分や栄養をしっかり吸い上げられるので、その後の成長がスムーズになります。 - 2月下旬〜3月上旬:球肥大促進の追肥
この時期はタマネギが球を大きく太らせる大切な時期。栄養が必要なので、追肥をしっかりしてあげましょう。肥料が足りないと球が小さくなったり、成長が止まってしまいます。 - 3月上旬:止め肥(追肥控えめ)
収穫に向けての仕上げ時期です。肥料を控えめにして、タマネギがゆっくりとしまり、保存性の高い球に仕上がります。追肥のしすぎは逆効果なので注意してください。
追肥の方法
- 溝施肥がおすすめ
畝の株間の間に浅い溝(5cm程度)を掘り、そこに肥料をまきます。その後、軽く土をかぶせてください。肥料が直接苗に触れず、土の中でじわじわと効くので根を傷めにくい方法です。 - 肥料の種類
化成肥料(例えば「8-8-8」など)を使うと、栄養が偏らず安心です。家庭菜園用の追肥専用肥料でも十分効果があります。
追肥を適切に行うことで、タマネギの健康な成長を支え、美味しく大きな球を収穫できます。気温や生育の様子を見ながら、タイミングを逃さずに実施してくださいね。
病害虫対策
タマネギは病気や害虫に注意が必要です。早めの対策で健康に育てましょう。
さび病
葉に茶色い小さな斑点ができ、放置すると葉が枯れてしまいます。風通しと排水の改善が予防に効果的です。発症したら殺菌剤を使用しましょう。

べと病
4月中旬〜5月に葉に黄色い斑点が出て広がります。湿気が多いと発生しやすいので、風通しを良くして排水も整えましょう。黄斑を見つけたら早めに殺菌剤を散布してください。
ネギアブラムシ
春先に葉に小さなアブラムシがつきます。葉の汁を吸い、ウイルス病を広げることも。見つけたら手でつぶすか流水で洗い流すか、必要に応じて殺虫剤を使いましょう。
収穫と保存



収穫時期の見極め
葉が根元から倒れて8割以上倒伏したら収穫適期。葉が完全枯れる前に引き抜くと球に傷が付きにくい。
天日干し
晴れた日に1〜2日畑や軒下で乾燥。湿気が残ると腐敗の原因に。
保存のコツ
- 茎葉が乾燥したら3〜4球ずつ紐で束ねる。
- 風通しよく日陰の軒下で吊るして保存。
トラブル対策Q&A
- トウ立ち(抽苔)
-
- 原因:大苗すぎる・早植え、冬の肥料不足など。
- 対策:適正な播種時期・苗サイズ管理、適量の追肥。
- 分球(珠割れ)
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- 原因:株間広すぎ、大苗、暖冬。
- 対策:適正株間を守り、播種や追肥を適切に。
- 病気
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- べと病、軟腐病、灰色腐敗などは排水不良・密植・過湿が原因。
- 対策:畝の排水改善、適切な間引き、防除。
- 害虫
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- ネギアブラムシは早春に発生。手でつぶすか農薬散布。
- アザミウマなどはコンパニオンプランツで間接防除も可能。
まとめ:家庭菜園でタマネギを成功させるために
タマネギは準備から収穫・保存まで丁寧に管理すれば、初心者でも失敗しにくい野菜です。
適期にタネをまき、間引きや追肥で健全な苗を育てましょう。
定植後は寒さや病気に注意し、春には球の成長をしっかり促します。
収穫後は天日干しし、風通しの良い場所で長く保存しましょう。
いろはに農園おすすめ品種は「ネオアース」「ケルたま」です。
育てやすく味も良いものばかりです。家族で楽しみながらおいしいタマネギを育ててくださいね。