野菜の育て方

【初心者でも安心!家庭菜園で楽しむ】アカジソ栽培ガイドとシロップ活用法

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みなさん、こんにちは。いろはにファームのいろはです。

夏にぴったりのハーブ「アカジソ(赤紫蘇)」は、爽やかな香りと美しい色が魅力。
今回は、家庭菜園でのアカジソ栽培のコツと、自家製シロップの活用法をやさしくご紹介します。

家族で一緒に畑で摘んだアカジソが、夏の暮らしに彩りを添えてくれますように――。

アカジソってどんな野菜?

いろはに農園で栽培したシソ

用途:梅干しの色付け、ふりかけ、薬味、お茶、そして人気のしそジュースにも使われます。

分類:シソ科シソ属の一年草で、和ハーブの代表格。

特徴:鮮やかな赤紫の葉と独特の香り。葉に含まれる「シソニン(アントシアニンの一種)」には抗酸化作用があり、健康にも良いとされています。

アカジソの栽培スケジュールと育て方

栽培スケジュール

  • タネまき適期:3月下旬〜5月上旬
  • 発芽適温:20〜25℃
  • 収穫時期:6月中旬〜7月末頃が最盛期
作業ポイント
タネまき3〜5月上旬好光性種子・覆土薄く
育苗/硬化4〜5月ポットごと順化させる
定植5月半日陰・株間15〜30cm
摘心草丈15〜20cm脇芽を増やす
収穫6〜7月若葉から随時

温暖な地域では、梅雨明けの高温で葉が硬くなる前に収穫すると、やわらかな食感と香りが楽しめます。
寒冷地の方は、ポットで育苗してから初夏に定植するとよいでしょう。

品種の選び方

  • チリメン赤シソ:葉が縮れて厚みがあり、梅漬けやふりかけに最適
  • 大葉赤シソ:葉が大きく収穫量が多いので、シロップやジュースにおすすめ
  • 香り赤シソ:芳香が強く軟らかい葉で、生食や天ぷらに向きます

直播きと移植栽培、どちらを選ぶ?

方式向いている人メリット留意点
直播き広い畑・経験者根痛みなし・作業少発芽ムラ、雑草競合
移植栽培初心者・プランター発芽管理しやすい・苗を選別育苗の手間・根傷注意

初心者やお子さまと楽しむ場合は、移植栽培で失敗を減らし、余ったタネで直播きを試す“ハイブリッド作戦”がおすすめです。直播き区と移植区を作れば、生長速度や香りの違いを体感でき、自由研究にもぴったり。

直播きの進め方(畑が広い方向け)

畝立て

幅60 cm・高さ10 cmの平畝にし、元肥を全面施用。

タネすじまき

条間30 cmに浅い播き溝を切り、タネを1 cm間隔で筋播き。

覆土は砂うすく

好光性のため、川砂やバーミキュライトを2 mm程度。

不織布ベタ掛け

乾燥と鳥害防止に効果大。発芽したら朝夕の水やりで過湿を避けます。

間引き

本葉2枚で3 cm間隔、本葉6枚で株間20 cmとし、間引き菜は薬味に利用。

タネまきの手順(育苗編)

  1. タネをぬるま湯に一晩浸し吸水させる。硬い殻が柔らかくなり発芽率アップ。
  2. 消毒済みの育苗ポットに「タネまき専用培養土」を詰め、タネを2〜3粒ずつ置く。シソは好光性種子なので覆土は1〜2mmで十分。
  3. 霧吹きでやさしく潅水。底穴から水がしみ出す程度が目安。
  4. 日当たりの良い半日陰で管理し、発芽まで乾燥させない。7〜10日で発芽する。
  5. 本葉2枚の頃に1本立てへ間引き。
育苗のコツ
  • 発芽直後は徒長しやすいので、日光不足に注意。
  • 気温が15℃を下回る夜は、新聞紙や不織布で覆い、地温を確保します。

苗の選び方と植え付け

良い苗の見分け方

  • 茎が太く節間が詰まり、葉色が濃い苗が優秀。
  • 表面にハリがあり、葉裏に害虫がいないか裏返してチェック。
  • 根鉢の底から白い根が軽く出ていれば適期。根がびっしり巻いているものは避けます。

植え付け手順

  • 植え付け前に1週間の硬化を行い、半日陰→日なたへ徐々に慣らす。
  • 株間15〜30cm、根鉢を崩さず植え、たっぷりの水で活着させる。
  • プランターは深さ25cm以上・容量15ℓ以上を選び、底石→培養土の順で入れると排水と保水のバランスが良くなる。

肥沃な土作り:植え付け2週間前に苦土石灰を混和しpH6.0〜6.5へ。元肥として完熟堆肥2 kg/㎡+化成肥料(8‑8‑8)150 g/㎡を梳き込み、ふかふかに耕しておく。

マルチング:定植後にワラやバークでマルチを敷くと、乾燥防止と雑草抑制に効果的。地温の急上昇も和らぎます。

日常のお世話

水やり

  • 発芽〜活着期:表土が乾いたら朝夕たっぷり。
  • 成長期:プランターは毎日チェック、畑は乾燥時のみ。根元潅水で葉濡れを防ぐ。
  • 夕方の水やりは夜間の蒸れにつながるので、できれば午前中に。

追肥

  • 元肥十分なら不要。葉色が薄くなれば2週間ごとに液肥1000倍を株元潅水。
  • 過肥は「二次成長」で葉が硬くなる原因になるため、欲張りすぎないのがコツです。
ポイント

成長期に下葉が黄変したら早めに取り除き、株のエネルギーを上部の若葉へ促します。

害虫

アブラムシ・バッタの食害が出たらガムテープで捕殺、または食品成分由来の殺虫スプレーを散布。薬剤は使用基準を守り、収穫前日まで使用可のものを選ぶ。

摘心と収穫

  • 草丈15〜20cmで先端の成長点を指で摘み取ると、葉腋から脇芽が伸び株がボリュームアップ。
  • 若葉は上から順に摘み取り、花芽が見え始めたら早めに収穫して風味を保つ。
  • 収穫量の目安:プランター1株で両手山盛り5回以上が期待できます。

花芽の利用
花が咲き始めたら、穂先を天ぷらや塩漬けにすると香り豊かな薬味に。葉とはまた違う食感で、料理の幅が広がります。

アカジソシロップレシピ

アカジソシロップ(約500 ml)

材料
・アカジソの葉…100 g ・水…500 ml ・砂糖…250 g ・酢またはレモン汁…100 ml

作り方

葉のみを洗い、鍋の湯で5分煮出す。
いろはに農園で収穫した赤シソ

ポイント

▶土や虫がついていないかチェック

葉を取り出し、煮汁に砂糖を溶かしさらに10分弱火で煮詰める。
シソを煮た後の写真
火を止め、酢を注げばルビー色に変化。
シソジュースの完成前
シソジュースの完成


冷まして瓶詰めし、冷蔵で1〜2週間。炭酸水4倍希釈が爽快です。

初めてシソジュース作りに挑戦してみましたが、とても簡単にできましたよ。
これからの暑い季節には、炭酸水で割って爽やかにいただくのもおすすめです。

よろしければ、皆さんも一度お試しになってみてくださいね。

タネ採取と翌年への備え

採種の準備
  • 花が咲いた後、茎の先に細長いサヤ(実)ができます
  • サヤが茶色くなり、カサカサと乾燥したら収穫時期
タネの収穫方法
  • 晴れた日の午前〜昼頃に、花穂ごとハサミで切る
  • 切った花穂は、通気性のある紙袋に入れる(ビニール袋はNG)
  • 風通しのよい日陰で1〜2週間乾燥させる
  • 完全に乾いたら、袋を振ってこぼれ落ちたタネを集める
タネの選別・乾燥
  • ザルやふるいでゴミやサヤを取り除く
  • 念のため、天日で1日ほど干して水分を飛ばす
保存方法
  • 遮光性の瓶やアルミ袋にタネを入れる
  • 湿気対策として、乾燥剤を一緒に入れると安心
  • 冷暗所で保管(高温・湿気・直射日光は避ける)
  • 発芽力は2〜3年程度持続
注意点
  • 近くでアオジソなど別品種を育てていると交雑する
  • 自家採種のタネは、葉色が薄い・香りが弱い株になることも
  • 品質を重視したい場合は、毎年市販のタネを購入するのがおすすめ

よくある質問(Q&A)

Q
こぼれ種だけで翌年も育てて大丈夫?

可能ですが、株によっては色が薄くなったり香りが弱くなるため、2〜3年に一度は新品種を導入すると安心です。

Q
青ジソとの混植は可能?

同じ畝に植えると交雑して色が薄くなることがあります。色鮮やかさを保ちたい場合は別プランターに。

Q
ベランダで育てる場合の日照は?

夏の直射日は葉が硬くなるので、午前中は日が当たり午後は遮光できる場所が理想です。

コンパニオンプランツと相性の良い仲間

アカジソは独特の芳香成分を放ち、害虫よけとしても重宝します。
トマト・ナス・キュウリなど果菜類の畝端に植えると、アブラムシの飛来が減り、土の乾燥を防ぐ緑陰にも。

  • トマト+アカジソ:葉陰がトマトの実焼けを防止。
  • ピーマン+アカジソ:ピーマンの尻腐れ症の発生が少なかったとの報告も。
  • オクラ+アカジソ:背丈差で風通しが良くなり、互いの株元が涼しく保たれます。
注意点

青ジソとの混植は色変わりを招くため注意してくださいね。

さいごに

アカジソは、タネから始めても3か月後には家族で乾杯できるスピード感が魅力。

栽培〜加工〜保存まで一貫して手掛けることで、子どもたちの食育にもつながります。
香り、色、味、そして手触り――五感いっぱいのガーデンライフを、どうぞお楽しみください。

なお、本記事は家庭菜園向けの一般的な目安です。地域や年によって気候条件は変わりますので、
畑の様子を観察しながら、植物と対話するように手を添えてあげてくださいね。
それでは皆さまの畑に、爽やかな紫の風が吹きますように──。

ABOUT ME
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駆け出しブロガー
野菜栽培歴3年の30代専業主婦。 おばあちゃんの畑を借りて、 家族で野菜作り! 野菜の情報を皆様にお届けすべく、日々奮闘中です。
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