【キュウリやスイカの葉がボロボロ!?】ウリハムシの被害と今すぐできる対策

夏の畑仕事を楽しんでいるとき、ふとキュウリの葉を見て「なんだか葉に穴が…?」と思ったことはありませんか?その正体が「ウリハムシ」です。
小さな昆虫で、一見無害そうに見えるウリハムシ。
しかし彼らは、ウリ科野菜の天敵とも言える存在です。放っておくと、苗の葉は食べつくされ、光合成ができずに生育不良を起こします。
また、モザイク病などのウイルスを媒介することもあり、家庭菜園において早期の対策が求められる害虫です。
ウリハムシとは?|特徴と発生の時期


ウリハムシの基本情報
- 科名:ハムシ科
- 成虫の体長:約6〜8mm
- 色:黄色〜オレンジに黒の縦線(ナミウリハムシ)や黒斑(クロウリハムシ)
- 動き:すばしこく、触れるとポロッと落ちる
- 活動期:4月下旬〜10月(特に6〜7月、9月にピーク)
越冬と発生サイクル
春のタネまきや苗の植え付け時期に、まさにぴったり合わせてやってくる厄介者です。
- 活動期:4月下旬〜10月ごろまで
- ピーク:6〜7月、9月に特に多く発生
- 越冬:落ち葉や草むら、マルチの下などで成虫のまま冬を越す
ウリハムシに狙われやすい|野菜一覧
ウリハムシが好む野菜は、主にウリ科に属するものです。以下に代表的な作物と被害の様子をまとめました。
キュウリ
- 葉に穴をあけられ、レース状になる
- 成長初期の苗が特に被害を受けやすく、光合成不足で生育が鈍化
- ウイルス病の媒介により果実の奇形も
スイカ
- 葉の縁からかじられるような食害
- つるの伸びが止まり、結実数が減る
- 成長点が被害に遭うと、その後の回復が困難に
カボチャ・ズッキーニ
- 葉が厚いため耐性はあるが、幼苗期には影響大
- 特にミニカボチャや若苗は要注意
- 実や茎の傷口から病気に感染することも
メロン
- 食害で生育が大幅に遅れる
- 実にひび割れができたり、うまく育たないことも
- 栽培が難しいため、少しの被害でも致命的になりやすい
ヘチマ・ユウガオなど
- グリーンカーテンに使う品種も、葉が丸裸にされることがある
- 葉が枯れると、緑のカーテンの役割を果たせず失敗に
ウリハムシの被害|どんな症状が出るの?
葉の食害(レース状の穴)
最もよく見られるのが葉のレース状の穴あきです。これはウリハムシが葉の表面をかじるために起こります。
特に苗の時期は致命的で、数枚の葉しかない時期に葉を失うと、株の生育が止まり回復が難しくなります。
生育不良・つるの伸びが止まる
スイカやカボチャのように「つるを伸ばして実をつける」野菜では、成長点が被害を受けることでつるの成長が鈍り、実が小さくなる、結実しないといった影響が出ます。
ウイルス病(モザイク病など)の媒介
ウリハムシは植物の汁を吸うことで、モザイク病などのウイルスを運ぶことがあります。症状としては、
- 葉がねじれる
- 色がまだらになる
- 実の形がいびつになる
などが見られ、回復は困難で株ごと処分する必要があります。
いろはに農園の体験|早めの気づきがカギに
2025年の初夏、いろはに農園でもキュウリやスイカの葉が穴だらけになる被害がありました。小さな苗ほど狙われやすく、毎年、あんどん仕立てで対策しています。
他には、毎朝畑を見回って様子を観察することで、ウリハムシを手取りやスプレーなどで拡大を防ぎ対策しています。
あんどん仕立てとは?


苗の周りに支柱とビニールや寒冷紗を巻いて、灯籠(あんどん)型に囲う方法です。風除けや寒さ対策だけでなく、虫の侵入を防ぐ簡易的な防虫ネットとしても機能します。
ウリハムシ対策に使う場合のポイント
- 苗の定植と同時に設置し、初期の食害を防止
- 上部を開けておくと蒸れにくく、風通しも確保できます
- ウリハムシが活動する春〜初夏に効果的
- ビニールやネットは地面にしっかり固定し、隙間を作らないように
今すぐできる!ウリハムシ対策7選
防虫ネットで苗をしっかりガード
タネまき直後から苗を防虫ネット(寒冷紗など)でトンネル覆いすることで、成虫の飛来を防ぎます。特に定植後1週間は最も危険なので、早めの設置が重要です。
黄色粘着トラップで飛来個体を誘引・捕獲
ウリハムシは黄色に強く反応する習性があるため、黄色の粘着シートやトラップを使うと効率的に捕まえることができます。
早朝の手取り駆除
朝方はウリハムシの動きが鈍く、葉の裏などにじっとしている個体を見つけやすい時間帯。そっと近づいて、水を張ったバケツに落とすと安全です。

いろはに農園では、畑に行くたびに見つけたら、その都度丁寧に手で捕まえて対処しています。
ですので、時間を気にせずいつでも見つけたら大丈夫です。
ただ、朝はウリハムシの動きがゆっくりで捕まえやすいので、やっぱり朝はとても良いチャンスですね。
忙しい日でも、朝の少しの時間にこまめにチェックするのがおすすめです。
自家製お酢スプレー・木酢液を使う
市販の自然系忌避剤「やさお酢」や、お酢+水(+数滴の石けん)で作る自家製スプレーでもある程度の効果があります。木酢液を500倍に薄めて週1回程度散布するのも効果的。

コンパニオンプランツの力を借りる
- シソ、ネギ、マリーゴールド、バジルなど、香りの強い植物を近くに植えると、ウリハムシの寄り付きが減ります。
- 匂いが混ざることで、彼らの嗅覚をかく乱する効果があります。

ニームオイルなどの自然農薬
オーガニック農法でも使用される「ニームオイル」には、ウリハムシの忌避や摂食抑制効果があります。希釈して定期的に散布することで、持続的な防除が可能です。
健康な株づくり(基本が大切)
丈夫な株ほど被害に強く、回復も早いです。日照・水分・肥料の管理を適切に行い、病虫害に強い環境づくりを意識しましょう。
ウリハムシの再発防止|来年のためにやっておくこと
残渣の除去・雑草管理を徹底
ウリハムシは越冬時に落ち葉や雑草に潜みます。作物の収穫後には茎や葉をしっかり回収し、畑をできるだけきれいに保ちましょう。

連作を避ける
同じ場所にウリ科野菜を植え続けると、ウリハムシだけでなく根の病気やセンチュウの被害も増加します。できれば2〜3年は空けて別の科目を育てるようにしましょう。

まとめ|葉っぱがかじられる前に“気づいて守る”
ウリハムシは決して珍しい害虫ではありませんが、その被害は油断していると一気に広がるため、日々の観察と小さな対策の積み重ねが大切です。
特にキュウリやスイカ、メロンなど、ウリ科野菜を育てている家庭菜園では発生しやすいため、タネまきや苗の植え付けと同時に防虫ネットや忌避剤の準備を整えておくことをおすすめします。
自然に優しい方法で、作物と土と向き合いながら、今年の夏もたくさんの収穫ができますように。