【安心安全に使える害虫対策】自然由来のやさしいBT剤の使い方ガイド

STゼンターリ顆粒水和剤の写真
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こんにちは、いろはに農園のいろはにです。
毎日の家庭菜園で、害虫に悩まされることはありませんか?

今回は自然由来の優しい農薬「BT剤(バチルス・チューリンゲンシス剤)」について詳しくご紹介いたします。

初めての方にもわかりやすく、安心して使っていただけるように、基礎知識から具体的な商品紹介までしっかり解説しますね。

どうぞ最後までお付き合いくださいませ。

BT剤(バチルス・チューリンゲンシス剤)とは?

自然由来の農薬

BT剤とは、「バチルス・チューリンゲンシス」という土の中にすむ微生物を活かした、自然由来の生物農薬です。

この菌が作り出すタンパク質を、特定の害虫の幼虫が食べると、消化器官に作用し、やがて死に至ります。

人体・益虫・ペットにやさしい

BT剤の特徴は「選択的に作用する」こと。

チョウ目やガ目の幼虫には効きますが、ミツバチ・カマキリ・クモ・テントウムシなどの益虫にはほぼ無害です。

もちろん、人やペットへの安全性も高く、小さなお子さまがいるご家庭の家庭菜園にもぴったりです。

BT剤が効果を発揮する主な害虫たち

害虫名被害作物被害の様子
アオムシキャベツ・ブロッコリー葉をムシャムシャ食べる
コナガハクサイ・キャベツ葉の表面に穴、食害痕が目立つ
ヨトウムシレタス・ホウレンソウ夜に活動し根元や葉を食べる
オオタバコガトマト・ナス実や葉に穴、中に幼虫が入ってしまう
アワノメイガトウモロコシ・アワ・キビなど穂の内部を食害(※BT剤が届きにくいため工夫が必要)
参考資料

アワノメイガへの効果について

穂の中に潜る害虫にはBT剤の効果が届きにくい場合がありますが、

住友化学の「STゼンターリ顆粒水和剤」は、登録上アワノメイガへの効果も認められている数少ないBT剤です。

BT剤の使い方の基本

害虫の“発生初期”が勝負!

BT剤の効果を最大限に発揮するには、幼虫が小さいうちに散布することが大切です。

食害が目立つ頃には、すでに幼虫が大きくなり薬が効きにくくなるため、早期発見と初期散布がポイントです。

もし見つけたときにすでに成長していた場合は、物理的な駆除や他の防除方法との併用を検討しましょう。

散布タイミングは気温と天候に注意

農薬の散布は、早朝や夕方の涼しい時間帯がおすすめです。

日中は気温が上がりやすく、薬液の水分がすぐ蒸発して**薬害(葉焼けなど)**を起こすおそれがあります。

とくに30℃を超える日は避けましょう。

また、雨の前後は散布を控えます。

薬液が流れて効果が薄れてしまうためです。
ただし、散布後に乾いていれば、少しの雨なら再散布の必要はありません。

風の強い日も注意が必要です。薬液が飛散し、狙った場所に届かないことがあります。
できるだけ風が穏やかな日に行うのが安心です。

ポイント
  • 早朝または夕方の涼しい時間帯
  • 30℃以上では薬害の恐れがあるため避ける
  • 雨の前後は成分が流れて効果が落ちる
  • 風の強い日も薬液が飛散するので避ける

使用頻度と濃度

BT剤は7〜10日に1回程度の散布が目安です。

害虫が多い時期や被害が拡大している場合は、やや間隔を短くしても大丈夫です。

注意点

ただし、濃度は必ず製品ラベルに記載された倍率を守ってください。

濃すぎると葉を痛めることがあります。

効果を活かす工夫

BT剤は自然由来の製剤で安心ですが、太陽光や雨に弱いため、タイミングが何より大切です。

ま対象となる害虫の種類によって効き方に差があるため、被害の状況によっては防虫ネット・コンパニオンプランツ・他剤とのローテーションを組み合わせましょう。

同じBT剤を連続使用しすぎると、害虫に耐性がつくこともあります。

輪作や異なる成分の製剤を交互に使うことで、持続的な防除効果が期待できます。

家庭菜園におすすめのBT剤商品一覧

以下に、家庭菜園で扱いやすく、信頼性のあるBT剤を表にまとめました。

おすすめのBT剤一覧

商品名製造元形状主な対象害虫特徴
STゼンターリ顆粒水和剤KINCHO園芸
旧住友化学園芸
顆粒+水アオムシ・コナガ・オオタバコガ・アワノメイガ登録害虫が多く、効果も安定。いろはに農園でも導入予定。
バトルBTアース製薬粉末アオムシ・ヨトウムシなど市販品で手に入りやすく、初心者におすすめ
BTスプレーノースランド液体チョウ目幼虫すぐに使えるスプレータイプ。天然成分100%
スミチオンBT粒剤(併用用)バイエル粒剤土壌害虫主に土壌用。葉害虫には他剤との併用がおすすめ

いろはに農園でのBT剤活用(2025年〜)

STゼンターリ顆粒水和剤の写真
STゼンターリ顆粒水和剤の裏面写真

今年から、いろはに農園ではBT剤の使用を始めました。

選んだのは、登録害虫が豊富で信頼性の高い「STゼンターリ顆粒水和剤(KINCHO園芸
旧住友化学園芸)
」です。

農林水産消費安全技術センター 登録情報(STゼンターリ顆粒水和剤)

実際に使ってみた感想(2025年夏)

  • 散布時に匂いや刺激がまったくなく、娘のそばでも安心して使えました。
  • 葉の裏までていねいにスプレーすると、トマトに多かった食害がぐんと減ったように感じました。
オオタバコガの実への被害①
オオタバコガの実への被害
ポイント

オオタバコガによる実の中までの食い荒らしがあったのですが、その被害が明らかに少なくなって嬉しかったです。

自然由来のやさしい農薬でも、しっかり観察と丁寧な散布を続ければ効果があることを、私自身も体感しています。

これからも、畑の様子を見守りながら使い続けていこうと思います。。

まとめ

BT剤は、家庭菜園における害虫対策の新しい選択肢。

自然由来の成分で作られたこの農薬は、人にも野菜にもやさしく、環境にも負荷が少ない理想的な防除方法です。

いろはに農園でも今年から本格的に使用を始めましたが、これからも観察を重ねながら、小さな畑のなかでの“ちいさな工夫”を積み重ねていきたいと考えています。

どうぞ皆さまも、ご自宅の畑でのびのびと育つ野菜たちを
やさしく守る手段のひとつとして、BT剤を取り入れてみてはいかがでしょうか。

ABOUT ME
いろはに農園
いろはに農園
駆け出しブロガー
野菜栽培歴4年(2021年~)の30代専業主婦。 おばあちゃんの畑(約400㎡)を借り、家族で家庭菜園を楽しむ主婦です。トマト、タマネギ、ダイコンなどを中心に栽培し、育て方を発信しています。
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