【初心者でも安心!家庭菜園で楽しむ】モロヘイヤ栽培ガイド

夏本番に向かうこの季節、モロヘイヤの種まき・育て方を知って、家族みんなでにっこり笑顔の“栽培ライフ”を楽しみませんか?娘さんやおばあちゃんも参加しやすい、やさしい家庭菜園をご提案します。
モロヘイヤってどんな野菜?
分類・原産地:アオイ科、熱帯~亜熱帯原産
和名:シマツナソ、タイワンツナツなど
特徴・魅力:
- 比較的簡単に育てられる、丈夫な葉物野菜
- 暑さに強く、真夏でもスクスク成長
- 春まき〜秋収穫まで、収穫期間が約4~5か月と長い
- 栄養豊富で「緑黄色野菜の王様」として人気


栽培カレンダー(東海沿岸部向け)
項目 | 時期 |
---|---|
土壌準備 | 6月上旬 |
タネまき | 6月下旬〜7月上旬 |
発芽 | タネから5~7日 |
間引き | 発芽後〜本葉4~5枚 |
摘心 | 草丈40cm頃 |
追肥 | 3週間後〜(7~8月) |
収穫 | 8月〜10月頃 |
ジャガイモの後にぴったり!いろはに農園の実践例
暑さにとても強いモロヘイヤは、ジャガイモやタマネギの収穫後の畑にぴったりの後作野菜としてもおすすめです。収穫後に空いたスペースを無駄なく活用でき、夏の畑を有効に使えます。
いろはに農園でも、ジャガイモの後作としてモロヘイヤの栽培をスタートしていますよ🌿
直播き?ポッドまき?いま時期にぴったりなのは…
今の時期(6月下旬〜7月上旬)の気温・環境
- 東海地方沿岸部では日中25〜30℃前後が続き、夜間も20℃ほどで安定しています。
- 地温も上がってきて発芽にとっても好条件!
そこで、この時期は直播きがおすすめです。直根性植物であるモロヘイヤとは相性バッチリ。
ただし、以下のような場合はポッドまきが安心です:
- 雑草が多く発芽に邪魔が入る
- 鳥・虫にタネを食べられやすい場所
- 水分管理をしっかりしたい場合
直播きをメインに、数株だけポッドで育苗しておき、畑に直接まいた発芽率や仕上がりの保険とするのがいろはに農園流。初心者さんにも安心の始め方です。


土づくりと準備のステップ
モロヘイヤは、栄養がたっぷりで水はけの良い土が好きです。土の準備をしっかりすることで、モロヘイヤが元気に育ち、おいしい実がたくさんとれます。これから紹介する順番でゆっくり土づくりを始めてみましょう。
苦土石灰をまいて土壌の酸性度を調整
モロヘイヤはpH6.0〜6.5の弱酸性から中性の土壌を好みます。酸性土壌の場合は石灰で調整が必要です。
- 約2週間前に、1㎡あたり100g程度の苦土石灰を均一にまきます。
- 石灰をまいたら、クワや耕運機などでしっかり耕し、土に馴染ませます。
- 酸性が強い畑では、石灰の量を増やしつつ、pH測定器や試薬を使って適切なpHになるまで調整しましょう。
堆肥と肥料の投入
石灰でpH調整後、さらに土の肥沃度を高めるために有機質の堆肥と化成肥料を加えます。
- 1週間後に、1㎡あたり堆肥を約2〜3kg入れます。堆肥は腐葉土や牛糞堆肥、鶏糞堆肥など、しっかり熟成されたものを使いましょう。
- 化成肥料は、窒素・リン酸・カリがバランスよく含まれたものを、1㎡あたり約20〜30g程度投入します。
- これらの肥料を表面にまいたら、再び深めに耕して土とよく混ぜ合わせてください。
畝づくり
モロヘイヤは水はけのよい環境を好むため、畝を作ることが重要です。
- 幅は40〜80cm、畝の高さは10〜15cm程度の平畝(まっすぐな畝)を作ります。
- 畝の高さがあることで根腐れを防ぎ、排水性を良くします。
- なるべく日当たりの良い場所を選び、風通しも意識しましょう。
タネまき(直播き/ポッドまき)
直播き(じかまき)
- 土をならし水でしっかり湿らせます
- 棒などで浅畝し、約5mmのすじ穴に2cm間隔でまきます
- 軽く土をかぶせて指で押さえ、水やり
- 発芽までの間に乾かさないように注意(5日〜7日程度で発芽)
ポッドまき

- 3号ポリポットに培養土を入れ、水やり
- タネを4〜5粒点まきし、覆土5mm程度
- 湿り気を保ち、発芽後に本葉が出始めたら間引き、丈夫な苗を残す
- 畑には本葉2〜3枚で定植(株間30〜40cm)
発芽〜間引きの管理
発芽のケア
- 地面が乾燥しすぎないよう、朝夕に軽く霧吹きするなどして管理
間引き
- 双葉が出たら2本立てにし、本葉4〜5枚のころに1本に間引きます(株間30〜40cm)
栽培中の管理ポイント
水やり
- はじめの1週間は毎日。以降は土が乾いたらたっぷりと。乾燥すると葉が硬くなってしまうので注意
マルチング・土寄せ
- 黒マルチで地温アップ&雑草抑制が可能
- 根元が露出したら土寄せをし、根を保護しましょう
追肥
- 植え付けから3週間後に開始、その後2~3週間ごとに有機肥料を株元から離して与えます
摘心(てきしん)
- 草丈40cmほどになったら、主枝の先を摘んで脇芽を増やし収穫量アップを図ります
病気と害虫対策
病気の注意点
- 風通しの悪い畑はうどんこ病や灰色かび病が発生しやすく、密植や放置はNG。定期的に収穫して風通しを確保しましょう
害虫の予防
- ハダニ、アブラムシ、ヨトウムシ、コガネムシなどが発生することも。葉裏をチェックし、見つけたら早めに手で駆除
- お酢を水で50~100倍希釈してスプレーすると自然な防虫になります
- コンパニオンプランツとしてマリーゴールドを近くに植えると、土壌の害虫対策にも効果的
収穫のタイミングと注意点
収穫タイミング
モロヘイヤは、タネまきから約2.5〜3か月後(苗から育てた場合は約2か月後)、草丈が40〜50cmほどになった頃から収穫を始めます。上部のやわらかい葉を15〜20cm程度ハサミで切り取り、脇芽を伸ばしながら晩夏まで繰り返し収穫が可能です。
ただし、花が咲き始めると葉が固くなり食べにくくなるため、収穫は控えましょう。また、花が咲いた後の種やさやには毒性があるため、収穫や作業後は必ず手を洗うことをおすすめします。
モロヘイヤの毒性についての注意点
モロヘイヤには「強心配糖体(ストロファンチジン)」という成分が含まれており、これは心筋の収縮力を高める作用があります。過剰に摂取したり、毒性のある部位を誤って食べると健康に悪影響を及ぼすことがあるため注意が必要です。
特に以下の部位には毒性が含まれているため、取り扱いには十分ご注意ください。
- 成熟したタネ(種子)
- 成熟途中のタネ
- 成熟したタネの莢(さや)
- 発芽直後の若葉
中毒症状とその危険性
これらの部位を誤って摂取すると、以下のような中毒症状が起こる可能性があります。
- めまい
- 嘔吐
- 下痢
- 呼吸困難
- 心不全(重篤な場合)
症状の程度は摂取量や体調によって異なりますが、いずれの場合も速やかな医療機関の受診が必要です。
安全な食べ方と栽培時の注意点
家庭菜園でモロヘイヤを育てる際は、以下のポイントに注意しましょう。
収穫物をよく確認する
収穫時にタネや莢が混ざらないように注意し、安全な部位のみを使うようにしてください。
収穫時期に注意する
モロヘイヤの花が咲き始めると茎や葉に毒性が出ることがあるため、花が咲く前の若葉を中心に収穫してください。
タネの取り扱いに気をつける
自家採種を行う場合は、タネを小さなお子さまやペットの手の届かない場所で管理し、誤食を防ぎましょう。
Q&A(初心者からよくある質問)
- Q. タネを水に浸してからまくべき?
-
A. はい。一晩浸すことで発芽率が上がり、揃いやすくなります。
- Q. プランターでも育てられますか?
-
A. はい、可能です。深さ20cm以上の鉢を使用し、水切れに注意すれば問題ありません。
- Q. 摘心は必ず必要ですか?
-
A. 必須ではありませんが、摘心することで収穫量が増え、長く楽しめます。
おわりに
モロヘイヤは「緑黄色野菜の王様」と呼ばれ、健康的で家庭菜園にぴったりの栄養野菜。娘さんと一緒に、楽しい収穫体験を、いろはに農園スタイルで育ててくださいね。