ネギの葉に白い線?それ、ネギコガの仕業かも
こんにちは、いろはに農園です。
先日、育てていたネギの葉に白い線のような模様が入り、「あれ?日焼けかな?」と思っていたのですが……
よく見ると、葉の中に小さなイモムシが潜んでいました。調べてみると、これは「ネギコガ」という害虫の仕業。
見た目は地味ですが、放っておくと葉の中を食い荒らして枯れさせてしまう、やっかいな相手なんです。
ネギコガとは?
ネギコガは、ネギやニラなどのユリ科植物を好む蛾の一種です。
5月頃から発生し、夏〜秋にかけて何度も世代交代を繰り返します。
幼虫の特徴
- 体長:約1cm前後
- 色:淡い緑色〜黄緑色
- 習性:葉の表皮の下(内部)を食害し、「白い筋状の跡」を残す
最初は筋が細く、やがて中の組織を食い尽くすように白く透けてきます。
葉の中に潜むため、外からは見つけにくいのが厄介な点です。
被害の見分け方
- 葉の表面に白っぽいスジができる
- スジの内部を透かすと、小さなイモムシが見える
- 被害が進むと、葉が枯れたり、株全体の勢いがなくなる
最初の頃は軽症でも、放置すると株全体が弱り、ネギの太りが悪くなることもあります。
家庭菜園で出来るネギコガ防除方法
ネギコガの幼虫は、葉の中に潜って食べ進むため、薬剤を散布しても中の虫までは届きにくいのが現実です。
そのため、いろはに農園では「薬に頼らず、手で守る」ことを基本にしています。
ここでは、いろはに農園で実践した内容をやさしく安全な対応方法を紹介します。
被害葉を早めに切り落とす
ネギの葉に白い筋状の跡が出ていたら、それはネギコガが食べたサイン。
その葉の内部には、すでに幼虫が潜んでいる可能性が高いです。
被害が広がる前に、葉の根元から思い切って切り落としましょう。
切り落とした葉は、畑の脇に置くとすぐにサナギになって次世代の成虫が発生してしまうことがあります。そのため、袋に入れて密閉し、家庭ごみとして処分しましょう。
幼虫をピンセットで捕獲
ネギコガの幼虫は、透けた葉の中をよく見ると小さく動いているのがわかります。
もし被害葉を割いたときに見つけたら、ピンセットや割り箸でつまんで捕獲します。
素手で触るのが苦手な方は、園芸用の手袋や軍手をつけてOKです。
幼虫を捕まえたら、袋に入れてしっかり閉じるか、熱湯に数秒浸してから処分すると再発の心配がなくなります。
「少し面倒そう…」と思うかもしれませんが、数匹でも取り除くことで次の世代を減らすことにつながります。家庭菜園では、こうした“こまめな観察”がとても大切です。
植え替え・株整理でリセット
いろはに農園では、ちょうど植え替えの時期だったこともあり、被害株を一度リセットすることにしました。
すべての葉を切り戻し、古い根を軽く整理してから新しい畝へ植え替えます。その際のポイントは次の通りです。
- 古い土や根のまわりを軽くほぐす
→ 根を詰まらせないことで、新根の発育を促します。 - 株間を広くとる(5〜10cm程度)
→ 風通しが良くなり、湿気を好むネギコガの発生を抑えられます。 - 植え替え後はたっぷり水を与える
→ 切り戻し直後は根が弱っているため、しっかり水分補給を。
周囲の環境も清潔に保つ
被害を防ぐには、ネギの株だけでなく周囲の環境管理も欠かせません。
ネギコガのサナギは、被害を受けた葉の内部だけでなく、地表や枯れ葉のすき間、雑草の根元などにも潜んで越冬・繁殖することがあります。
枯れ葉・切り落とした葉は放置しない
被害葉を切り落とした後、畑に放置してしまうと、中に残っている幼虫やサナギがそのまま次の世代に成長してしまいます。
作業後は、すぐに密閉袋に入れて廃棄するのがポイントです。
もしコンポストを利用している場合でも、ネギコガが生きたまま混ざらないように、完全に乾燥・分解してから投入するようにしましょう。
雑草を抜いて風通しを確保
ネギコガは、風通しの悪い場所を好み、特に梅雨〜夏の湿気が多い時期には繁殖しやすくなります。
株間に雑草が茂ると、葉が乾きにくくなり、幼虫やサナギの隠れ場所を増やしてしまうため、定期的な草取りが有効です。
周辺の作物にも注意
ネギコガはネギ科野菜(ネギ・ニラ・ワケギなど)に寄生するため、近くに同じ仲間の野菜を植えていると、被害が連鎖しやすくなります。
できれば、被害が出た株の近くではネギ科の連作を避けることも予防策の一つです。
どうしても同じ場所に植える場合は、土を入れ替えるか太陽熱消毒をしてから再植え付けを行うと安心です。
いろはに農園でのネギコガ被害対応
ちょうど植え替えのタイミングだったため、今回は思い切って、
- 被害葉をすべて切り落とし
- 幼虫をピンセットで捕獲
- 植え替え・株整理でリセット
という流れでリフレッシュを行いました。
ネギは生命力が強いので、葉を切り戻しても新しい葉が再生してくれます。
気持ちを切り替えて、スッキリとした状態から再スタートです。

葉に白い筋や透けた食痕があるかチェック
葉を手に取って、目で透かして中に幼虫がいないか確認。

1本ずつ切ることで株への負担を最小限に

被害葉を割いて、葉の中に幼虫がいる場合はピンセットで捕まえる。
捕まえた幼虫は袋に入れて密閉、または熱湯に数秒浸してから処分するとより安全です。
小さな幼虫でも取り除くことで次世代の発生を抑制できます。
畑に放置せず、ゴミ袋に入れて密閉し、家庭ごみとして処分。

一度株の整理をして新しい土に植え替え、株間を広くとり、風通しを良くしておく。
切り戻し後のネギはすぐに新しい葉を伸ばし、再び元気に育ちます
まとめ
ネギコガの被害は、早期発見とこまめな観察が何よりの対策です。
薬剤よりも「目で見て」「手で取る」ことが、小さな家庭菜園ではいちばん安全で確実な方法です。
被害葉を切り落とし、幼虫を捕獲して、風通しのよい環境を整えてあげれば、ネギはまた元気を取り戻します。
「虫と戦う」よりも、「虫と折り合いをつけながら、自然に育てる」。そんなやさしい菜園づくりを、いろはに農園ではこれからも続けていきたいと思います。
