【赤くなったピーマンは食べられる?】完熟の秘密とおいしい楽しみ方

こんにちは、いろはに農園のいろはにです。
家庭菜園でピーマンを育てていると、つい収穫のタイミングを逃してしまい、「あれ?赤くなってる!」なんてこと、ありますよね。
そんなとき、「もう食べられないのかな?」と心配になる方もいらっしゃると思います。
でも大丈夫。赤くなったピーマンは食べられますし、むしろ完熟して甘くおいしくなるんです。
この記事では、完熟ピーマンの魅力や安全な食べ方、保存のコツなどを、いろはに農園らしくやさしくお伝えしますね。
なぜピーマンは赤くなるの?
ピーマンを育てていると、ある日ふと「いつの間にか赤くなってる!」と気づくことがありますよね。
実はそれ、ピーマンがしっかりと熟した証拠なんです。
ここでは、ピーマンの色が変わる理由を、植物の仕組みと栄養の変化の両面からやさしく解説します。
ピーマンの緑色は“未熟な色”
スーパーに並んでいる緑色のピーマンは、まだ果実が若いうちに収穫された未熟果です。
植物は果実の中でタネを育てるために、光合成を活発に行い、そのときに多くの**クロロフィル(葉緑素)**を作り出します。
このクロロフィルこそが、ピーマンの鮮やかな緑色の正体です。
未熟な段階で収穫することで、独特の青臭さや苦味が残り、「ピーマンらしい風味」として私たちが慣れ親しんでいる味になります。
時間とともにクロロフィルが減少する
畑でそのまま実を残しておくと、ピーマンはゆっくりと熟成していきます。
果実が成熟するにつれて、クロロフィルは次第に分解されていき、その代わりに**カロテノイド(カロテンやリコピンなどの色素)**が増えていきます。
この変化によって、
ピーマンの色は緑 → 黄緑 → オレンジ → 赤
と少しずつ移り変わります。
つまり、赤ピーマンは「時間をかけて自然に熟したピーマン」なんですね。
赤くなると増える栄養素
ピーマンが赤くなると、見た目の変化だけでなく、栄養の中身も大きく変わります。
農林水産省のデータによると、完熟した赤ピーマンには次のような特徴があります。
- βカロテン:抗酸化作用があり、免疫力の維持や肌の健康に役立つ
- ビタミンC:緑ピーマンよりもさらに多く、加熱しても壊れにくい
- リコピン:トマトと同じ赤い色素で、血流や美肌にうれしい効果が期待される
ピーマンが赤くなる理由をおさらい
ピーマンは、緑色のときは未熟果、赤色になると完熟果になります。
収穫のタイミングによって、色だけでなく味や栄養も大きく変わるんです。
比較項目 | 緑のピーマン(未熟果) | 赤いピーマン(完熟果) |
---|---|---|
色の違い | クロロフィル(葉緑素)が多く、鮮やかな緑色 | リコピンやβカロテンが増えて赤くなる |
味の特徴 | 少し苦味があり、シャキッとした食感 | 甘みが強く、柔らかい食感に変化 |
香り | さわやかで青臭さがある | フルーティーでまろやかな香りに |
栄養の違い | ビタミンCは多いが、βカロテンは少なめ | ビタミンC・βカロテンがどちらも豊富に |
収穫までの日数 | 開花後15〜20日ほど | 開花後30〜40日ほど(倍くらい時間がかかる) |
保存性 | やや長持ちしやすい | 完熟しているため、日持ちは短め |
赤くなったピーマンのおいしさと食べ方のコツ
赤く熟したピーマンは、見た目の鮮やかさだけでなく、味や香り、栄養までまるで別の野菜のように変化します。
ここでは、緑ピーマンとの味の違いや、おすすめの食べ方、そして食べる前に確認したい鮮度チェックのポイントをまとめました。
緑と赤でこんなに違う!味わいとおすすめ料理

緑ピーマンは独特のほろ苦さが魅力ですが、赤く完熟すると苦味が抜けて、やさしい甘みに変わります。
果肉もやわらかくなり、炒め物やサラダでも食べやすくなりますよ。
ピーマンの状態 | 向いている料理 |
---|---|
緑ピーマン | 肉詰め・炒め物・チンジャオロース |
赤ピーマン | マリネ・パスタ・オムレツ・ピザの彩り |
食べる前の注意点「鮮度チェック」
赤くなったピーマンは完熟している分、緑ピーマンよりも傷みやすいのが特徴です。
せっかくの甘みをおいしく味わうためにも、収穫後や購入時には次のポイントを確認しましょう。
- 表面につやがあり、シワが寄っていないか
- 軽く押してみて、柔らかくなりすぎていないか(ヘコむ場合は注意)
- 黒ずみやヌメリ、異臭がないか
保存のコツと日持ちの目安
赤ピーマンは完熟しているぶん、日持ちが短めです。冷蔵庫で保存する場合は、以下の方法がおすすめです。
- 水分をしっかり拭き取る
- キッチンペーパーで包む
- ポリ袋に入れて野菜室へ
保存期間の目安は2〜5日ほど。
それ以上置く場合は、カットして冷凍保存しておくと便利です。
軽く湯通し(ブランチング)してから冷凍すると、色もきれいなまま長持ちします。
完熟ピーマンを育てるときの注意点
赤く完熟したピーマンは甘みが増し、とてもおいしくなります。
ただし、株にとってはエネルギーを使う作業でもあるため、注意が必要です。
完熟させると株にかかる負担
赤く完熟した実を枝に残しておくと、株は「タネを成熟させた」と判断し、次の花や実をつける力が弱くなることがあります。
特に夏の終わりや気温の高い時期は、株が疲れやすくなるため、完熟実を残す場合は量に注意することが大切です。
育てるコツ
- 1株につき、1〜2個だけ完熟まで残す
- 残りの実は、緑のうちに収穫して株の負担を減らす
- 完熟した実を収穫した後は、追肥と水やりで株を元気に保つ
この方法なら、株が疲れすぎず、次の収穫も安定します。
まとめ:赤ピーマンは甘くて栄養たっぷり!
- 赤くなったピーマンは完熟果。甘くておいしい
- ビタミンCやβカロテンが増えて栄養価もアップ
- 傷みやすいので早めに収穫・調理を
- 株のためには完熟させすぎないことも大切
緑のピーマンと赤いピーマン、どちらにもそれぞれの魅力があります。
いろはに農園では、そんな季節の変化もまるごと楽しむ家庭菜園を心がけています。
もし赤ピーマンができたら、ぜひ恐れずに一口食べてみてくださいね。