【オクラの葉に潜む毛虫】フタトガリアオイガの幼虫と安全な駆除・予防ガイド

こんにちは、いろはにファームのいろはにです。
この夏、わたしたちの畑で育てているオクラの葉に、見慣れない毛虫のような虫がひそんでいるのを見つけました。それが今回ご紹介する「フタトガリアオイガの幼虫」です。
この幼虫、見た目はおとなしいのですが、実は人にも植物にも注意が必要な害虫です。触るとかゆくなってしまったり、大切な野菜をむしゃむしゃと食べてしまったり…。
この記事では、そんなフタトガリアオイガの幼虫について、家庭菜園でもできる安全な駆除方法や予防のコツまで、わかりやすくご紹介してまいります。
フタトガリアオイガとは?
特徴と発生時期
フタトガリアオイガ(学名:Sylepta derogata)は、アオイ科の植物を好むチョウ目の蛾の仲間です。特に夏場によく発生し、6月から10月ごろまで注意が必要です。
被害を受けやすい野菜
以下のようなアオイ科の植物が被害に遭いやすいです。
- オクラ
- モロヘイヤ
幼虫の見た目と被害


- 体長は2〜3cmほど
- 黄緑や茶色がかった体色で、葉の色にまぎれて見つけにくい
- 全身に**細かな毛(毒針毛)**を持ち、刺激すると肌に害を及ぼすことも
被害の典型的な例として、葉がレース状に食べられてしまったり、新芽がかじられたりすることがあります。
毒毛に注意!刺されたらどうなるの?
この幼虫は見た目には分かりにくいですが、実は肌にかゆみや赤みを起こす毒毛を持っています。触ってしまうと、以下のような症状が出ることがあります。
- かゆみ・赤み・腫れ
- 湿疹・水ぶくれ(重症の場合)
- お子さまや敏感肌の方は特に注意が必要です
安心・安全な駆除方法
防護服装を整えて
まずは身を守る装備が大切です。
- 軍手の上からゴム手袋を重ねる
- 長袖・長ズボン・帽子を着用
- 首元はタオルなどで覆い、肌の露出を防ぐ
ピンセットや割り箸で物理駆除

見つけた幼虫は、ピンセットや割り箸でつまみ、ビニール袋に入れて密封します。そのまま可燃ごみとして処分しましょう。
- 幼虫は葉裏や葉脈近くに隠れていることが多いので、しっかり観察が大切です
BT剤「STゼンターリ顆粒水和剤(住友化学園芸)」を使用
物理的な駆除と並行して、自然由来の殺虫剤であるBT剤を使うのも有効です。
STゼンターリの特徴
- 有効成分:BT菌(バチルス・チューリンゲンシス)
- 対象害虫:アオムシ、ヨトウムシ、ハスモンヨトウ、フタトガリアオイガなど
- 摂食後に消化器官に作用し、数日で効果が現れます
- 収穫前日まで使用可能
- 有機JAS適合資材のため、オーガニック志向の菜園にも安心
使用方法と散布のコツ
- 希釈倍率:1000〜2000倍
- 展着剤(例:ダイン)を加えると葉面への定着力がUP
- 散布タイミング:若い幼虫のうちに
- 散布対象:葉の裏側を中心にしっかりと
- 効果持続のため1〜2週間おきに再散布
BT剤の安全性と作用の仕組み
なぜ人間には害がないの?
BT菌はアルカリ性の消化液を持つ昆虫の幼虫にしか作用しません。人間や犬猫など哺乳類の体内では消化液が酸性のため、菌が働かず無害とされています。
効果の現れ方
- 散布後数時間で食欲が止まり
- 2〜3日後に死滅
- 成虫には効果がないため、繰り返し散布が大切です
フタトガリアオイガの卵にも注意
葉裏の観察習慣を
フタトガリアオイガは、葉の裏に半透明のつぶつぶの卵を産みつけます。これを放置すると、数日で孵化して幼虫になります。
- 発見したら葉ごと摘み取って廃棄
- 卵のうちに除去すれば、被害を最小限に抑えられます
予防のための家庭菜園習慣
株間を広めにとる
風通しが悪いと虫が集まりやすくなります。オクラの株間は30〜40cmを目安にしましょう。
雑草はこまめに除去
雑草は虫の隠れ場所になりやすいため、こまめな草取りも効果的です。
コンパニオンプランツの活用
- マリーゴールド:土壌改善と害虫忌避効果
- バジル:強い香りで一部の害虫を遠ざける
オクラの近くにこれらの植物を植えることで、予防的な環境づくりが期待できます。

万が一刺された場合の応急処置
- 粘着テープなどで毛を静かに取り除く
- 流水で丁寧に洗い流す
- 市販の抗ヒスタミン軟膏を塗る
- 症状がひどい場合は皮膚科を受診
実際に体験した駆除の記録
いろはにファームでは、以下のような手順で安全に対処しました。
項目 | 内容 |
---|---|
幼虫の発見 | オクラの葉裏に2〜3cmの黄緑色の幼虫 |
駆除方法 | ゴム手袋着用でピンセット回収、袋に密封して処分 |
散布対策 | STゼンターリを1000倍に希釈、週1回散布を2回実施 |
予防策 | コンパニオンプランツのバジルを隣に植栽、除草と風通し管理 |
まとめ|知っておきたいポイント一覧
- フタトガリアオイガの幼虫は毒毛を持つため、直接触れない
- **防護+物理駆除+BT剤(STゼンターリ)**で安全かつ効果的に対処
- 風通し・除草・コンパニオンプランツで環境を整える
- 卵のうちに見つけて処分することが予防のカギ
- 刺されたら落ち着いて処置し、必要に応じて病院へ
おわりに
家庭菜園には、思わぬ小さな「お客さま」がやってくることもあります。でも、正しい知識と備えがあれば、慌てずに対応できます。
いろはにファームでは、これからも自然と調和しながら、家族みんなで楽しめる菜園づくりを続けてまいります。みなさまも安心・安全な野菜づくりを楽しんでくださいね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました🌱