冬にしておきたい寒起こしと土壌改良
こんにちは、いろはに農園です。
畑が少し静かになる冬は、実は来年の野菜づくりを左右する大切な季節。この時期にしておきたい作業のひとつが「寒起こし」です。
寒起こしは、寒さの力を借りて土を整える昔ながらの方法。特別な道具や資材がなくても、土はちゃんと応えてくれます。
今回は、家庭菜園でも無理なくできる寒起こしと、あわせて行いたい土壌改良について、やさしく丁寧にまとめました。
寒起こしとは?
「寒起こし」とは、一年で最も冷え込む1月下旬から2月上旬にかけて、土を大きく掘り返して寒気にさらす作業のことです。
私たちの住むこの地域でも、冬の夜には土に含まれる水分が凍り、昼間には溶けるというサイクルが繰り返されます。この自然の力を利用するのが寒起こしの知恵です。
寒さが土をほぐす自然の仕組み
土の中に含まれる水分が凍ると膨張し、土の塊を内側から砕いてくれます。これにより、春にはふかふかの「団粒構造」に近い状態へと変わっていきます。

病害虫を抑える寒起こしの効果
土の中で冬越ししている害虫の幼虫やサナギ、病原菌は寒起こしによって地表近くに出され、寒さや乾燥によって数を減らします。
農薬に頼りすぎない、やさしい対策としても役立ちます。
春野菜につながる土の変化
寒起こしをした土は、土の中に溜まった古いガスを抜き、新鮮な空気(酸素)を取り込みます。
水はけと保水性のバランスがよく、根が伸びやすい環境に近づいていきます。この冬のひと手間が、春以降の生育の差となって表れてきます。
【冬の菜園スケジュール】12月から3月までの流れ
冬の作業は、カレンダー通りに進めるよりも、空気の冷たさや土の状態を感じながら行うのが大切です。
【12月】収穫後の片付け
秋野菜の収穫が終わったら、畑の整理から始めます。
- 枯れた茎や葉を片付ける
- マルチや支柱を外す
- 病害虫の温床になりそうな残渣は畑の外へ
この時期に一度土を平らにしておくと、1月以降の寒起こしがとても楽になります。
年末の忙しい時期ですが、枯れた茎や葉を片付けることで、病害虫の温床を減らすことができます。
【1月〜2月上旬】寒起こしのベストタイミング
一年で最も冷え込むこの時期が、寒起こしの本番です。目安は大寒(1月20日頃)を過ぎてから。
【2月中旬】土壌改良で土に栄養を戻す
寒起こしでしっかりと寒さにさらした土は、少しずつ春の準備を始めています。
まずは、必要に応じて石灰を施します。
その後、完熟堆肥を加えて土と混ぜ込みます。こうして土に有機物と微生物の住みかを与えることで、春に向けて、根が伸びやすい元気な土へと整っていきます。
- 完熟堆肥(牛糞など): 土をふかふかにし、保水力を高めてくれます。
- 腐葉土: 有益な微生物を増やし、病気に強い土を作ります。
- くん炭: もみ殻を炭にしたものです。土の酸度を和らげ、根の張りを良くしてくれます。
- 未熟な生ゴミ
- 窒素分の多い肥料
冬は分解が進みにくいため、刺激の強いものは控えます。
これらを土に混ぜ、春にまくタネが気持ちよく根を伸ばせるよう、優しく整えてあげてくださいね。
【3月】春の作付けに向けた整地
土を細かく砕き、平らに整えます。
3月下旬には早まきのタネをまく準備が整っている状態を目指します。
寒起こしのやり方
寒起こしは力仕事に見えますが、一気にやる必要はありません。晴れた日の、体を動かしやすい時間に少しずつ行いましょう。
寒起こしに適した天気と準備する道具
適した天気:数日晴れが続き、土が適度に乾いている日
準備する道具:スコップ又は鍬(クワ)
土を掘り起こす深さ
深さは20〜30cm程度を目安に大きく掘り起こしてください。
掘り上げた土は、ゴロゴロとした塊のまま放置します。表面をきれいにならさないことで、
冷たい風と霜がしっかりと土に当たります。
寒起こしを成功させるための注意点
- 雨の直後は作業しない
- 無理に細かくしない
- 毎年必ず行わなくてもよい
「できる年に、できる範囲で」が長く続けるコツです。
一度に畑全体を仕上げようとせず、天気のよい日を選びながら、体に負担のかからない範囲で数日に分けて進めましょう。
おわりに
冬の畑は静かですが、土の中では春に向けた準備が少しずつ進んでいます。
寒起こしを終えた畑は、どこか凛とした空気に包まれ、新しい命を迎える準備が整ったように感じられます。
防寒をしっかりとして、ぜひ冬の土づくりも楽しんでみてくださいね。それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

