【家庭菜園】シソのタネ採りガイド〜初心者でも安心!〜
シソは日本の食卓に欠かせないハーブのひとつで、家庭菜園でも育てやすく、タネから次の年も楽しめます。
ここでは、いろはに農園のネギのタネ採り方法を参考に、シソのタネ採りをわかりやすくまとめました。
シソの基本と品種選び
シソの種類
- 青シソ(大葉):香りが強く、刺身や冷奴、サラダなどに利用されます。
- 赤シソ(紫蘇):梅干しやジュース、漬物に使われます。家庭菜園では見た目も華やかで人気です。
品種選びのポイント
- 葉の大きさや香り:青シソなら葉の大きな「大葉系」、赤シソなら色が濃く香りの強い品種がおすすめです。
- 耐病性:うどんこ病やシソバエに強い品種を選ぶと栽培が容易です。
- タネ採取向きかどうか:シソの品種によってはタネが小さく、収穫しにくい場合があります。タネ採り用には粒の大きな品種を選ぶと管理が簡単です。
タネ採りの魅力
家庭菜園でシソを育てる魅力のひとつは、タネ採りが簡単で自然に増やせることです。シソは多年草ではなく1年草ですが、放置すれば秋に花が咲き、タネができます。このタネを採って保存すれば、翌年も手軽に栽培できます。
タネが採れるまでの流れ〜シソを育てるポイント〜
シソのタネ採りは、季節ごとの管理がポイントです。
春から秋にかけて、どのタイミングでタネまきや間引き、花の管理、収穫を行うかを丁寧に理解することで、家庭菜園でも質の良いタネを収穫できます。
4〜5月 〜シソのタネまきと発芽管理〜
春はシソ栽培のスタートです。4月下旬から5月にかけて鉢や畑にシソのタネをまきます。気温が安定し、霜の心配が少ないこの時期は発芽に最適です。
タネまきの方法
- 鉢植え:深さ1cm程度の浅い溝を作り、タネをばらまきます。その上に薄く土をかぶせ、軽く押さえます。
- 畑:畝に条まきでタネをまき、株間は5〜10cm程度確保します。後で間引くことを考慮するのがポイントです。
発芽後の管理
- 水やりは土が乾かない程度に行います。多湿になるとタネが腐る原因になります。
- 日当たりの良い場所で育てると、発芽が揃いやすく、株も元気に育ちます。
6〜7月 〜間引きと育苗のポイント〜
本葉が5〜6枚になったら、元気な株を残すために間引きを行います。株間は10〜15cm確保すると、タネ採り用の株が十分に成長します。
株の管理
- 間引きで残した株に栄養が集中するため、葉や花がしっかり育ちます。
- 水やりは株元を中心に行い、葉に直接かかりすぎないよう注意します。
7〜8月 〜シソの花が咲く時期の管理〜

シソの花は小さく、白や薄紫の穂状に咲きます。
タネ採り用として、元気で大きな株を選ぶことが重要です。残した株ほど、タネがしっかり育ちます。
収穫前の管理
- 葉の収穫は控えめにし、栄養がタネに集中するようにします。
- 高温や過湿によるうどんこ病の発生に注意し、風通しを良く保つことがポイントです。
8〜9月 〜シソのタネ収穫時期〜

タネの成熟サイン
- 花が茶色く枯れ、穂先に小さな黒いタネが見えたら収穫のタイミングです。
- 黒く硬いタネは成熟しており、発芽率も高くなります。

タネ採りの方法
- 穂を袋に入れて吊るすか、切り取って乾燥させ、新聞紙の上で軽く揉むとタネが落ちます。
- 採取したタネは、風通しの良い日陰で乾燥させてから保存します。
タネが採れるまでの流れまとめ
- 春(4〜5月):タネまき。日当たりと水やりに注意。
- 初夏(6〜7月):間引きで株間を確保し、タネ採り株を育てる。
- 盛夏(7〜8月):花が咲く時期。タネ採り株の管理と病害虫防除を行う。
- 晩夏〜初秋(8〜9月):タネを収穫し、乾燥・保存する。
季節ごとの管理を丁寧に行うことで、家庭菜園でも高品質なシソのタネを安定して収穫することができます。

タネ採り方法
シソのタネ採りは、ネギよりもさらに簡単です。初心者の方でも手軽にできる方法を2つ紹介します。
穂ごと袋で吊るす
- タネ採り用の穂を選び、茶色く枯れるのを待ちます。
- 穂をそのまま紙袋や不織布袋に入れ、口を軽く縛ります。
- 1週間〜10日ほど吊るしておくと、タネが袋の中に落ちます。
いろはに農園のズボラ式のタネ採り
- タネ採り用の穂を選ぶ
シソの株の中から、元気なタネ採り用の穂を選びます。花が茶色く枯れるまで待つのがポイントです。 - 自然におまかせ
穂が茶色く枯れたら、しばらくそのまま放置します。無理に収穫せず、自然にタネが落ちるのを待つのがズボラ式のコツです。 - タネが落ち始めたら収穫
穂からタネが畑にこぼれ始めたら、切り取ります。 - 穂をたたきながら歩く
切り取った穂を手で軽くたたきながら畑を歩くと、残ったタネも自然に落ちます。 - 翌年の楽しみ
こうしてタネを自然に落とすことで、翌年には畑のあちこちから新しいシソが芽を出します。手間をかけずに毎年楽しめる方法です。
タネの保存方法
採取したタネは、湿気や光に弱いため、適切な保存が大切です。
- 乾燥:採取後はしっかり乾燥させます。新聞紙やザルの上で1週間ほど自然乾燥させると安心です。
- 密閉保存:乾燥後は、チャック袋や瓶に入れて密閉します。冷暗所に保管すると翌年も発芽率が高くなります。
- ラベル管理:採取日や品種を書いたラベルを添えておくと、管理が簡単です。
自家採種の注意点
- 家庭菜園の範囲:個人の家庭菜園でタネを採って栽培する場合は問題ありません。
- 商業目的:市販品種を大量に増やして販売する場合は、種苗法に注意が必要です。「登録品種」や「自家増殖不可」と記載のあるタネは販売用の自家増殖はできません。
まとめ
- シソのタネ採りは、花が茶色く枯れた頃に行うと簡単で確実です。
- 袋に吊るす方法や切り取り・乾燥させる方法のどちらでもタネ採り可能です。
- 採取したタネは十分に乾燥させ、密閉して冷暗所で保管します。
- タネから育てる楽しさを味わうことで、家庭菜園の幅が広がります。
家庭菜園でのシソ栽培は、葉の収穫もタネ採りも楽しめる素敵な作業です。ネギのタネ採り方法を応用すれば、シソも手間をかけずに自家採種できます。来年も香り高いシソを楽しむために、今年はぜひタネ採りに挑戦してみてください。
